イライラは、不安とともにそっと私たちの心に現れます。日常の中で、ふとしたきっかけで生まれ、時に周囲へも静かに伝わっていきます。
たとえば、焦っているとき、バスなどを待たされているとき。誰か一人がイライラしはじめると、その空気は周囲に波のように広がり、みんなが落ち着かなくなってしまう──そんな経験はありませんか?
忙しいと、どんなにやさしい人でも、ついイライラしてしまいます。
疲れていると、どんなに丁寧にふるまおうとしても、ふとした拍子に苛立ちが表に出てしまいます。
「腹が立って仕方がない」という状態も、イライラのかたちのひとつです。つい自分のことで手いっぱいになり、他人に伝わりやすい状態にもなってしまいます。
けれど、不安に気づけている人は少し違います。自分の内面に目を向けることができると、イライラの渦にのみこまれずにいられるようになります。
イライラを我慢しているときでも、心や体は何かしらのサインを出しています。特に女性の場合、ホルモンバランスの影響もあり、次のような変化が見られることがあります。
・頭痛、肩こり、めまい、倦怠感
・不眠や寝つきの悪さなど、睡眠の質の低下
・食欲の変化(過食や食欲不振)
・月経不順やPMS(月経前症候群)の悪化
・些細なことで落ち込んだり、涙もろくなる
・集中力・記憶力の低下
・ネガティブな思考が増える
・趣味や好きなことへの関心が薄れる
・人との関わりを避けたくなる
・思考が狭まり、短絡的な決めつけをしやすくなる
(例:「もう無理」「自分なんて」「どうせ誰にもわかってもらえない」など)
・ため息が増える
・口数が減る、あるいは口調がきつくなる
・落ち着きがなくなり、そわそわする
・些細なミスが増える
◎感情を言葉にする
イライラしていることを「なかったこと」にせず、誰かに話したり、日記に書いたりして言葉にすることが助けになります。感情を言語化することは、自分の心を整える第一歩です。
◎セルフケアの実践
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動など、ご自身の生活をいたわる時間が、心にも静けさをもたらします。香りや入浴といった小さな楽しみも大切です。
◎専門家への相談
イライラが長引いたり、「眠れない」「落ち着かない」といった状態が続くときは、心療内科や婦人科などへの相談も一つの選択肢です。女性特有のリズムが関係していることもありますので、適切なケアを受けることで、気持ちが大きく変わることがあります。
◎周囲の理解と支え
身近な人がイライラしているように感じたときには、どうかその背景を想像してみてください。「どうしたの?」と静かに声をかけたり、黙ってそばにいるだけでも、その方が安心して気持ちを表現できるようになります。
イライラは「いけないこと」ではありません。誰の中にも自然に湧きあがる感情です。けれど、それに気づき、言葉にし、ケアしていくことは、私たちがよりよく生きるためにとても大切なことです。
感情に静かに耳をすませることは、回復への扉になります。
何か気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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