うつ病は厚生労働省の定義によりますと、
「脳のエネルギーが欠乏した状態です。それによって憂うつな気分やさまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続くだけでなく、さまざまな身体的な自覚症状を伴うことも珍しくありません。」

ストレスについて、職場、家庭など心理的なお悩みを聴くこともあります。

職場のストレスチェックも普及していますので、「仕事の量」、「仕事の質」、「対人関係」などストレスチェックの項目に基づいてうつ病についてお話しされる方もいます。

個人のストレスチェックだけでなく事業所全体の集団分析で高ストレス職場というのもあります。

うつ病とは、ご自分の懸命な努力を超えた病気であること、もしくは、脳の神経伝達物質である「セロトニン」「ノルアドレナリン」が一時的に減ってしまう病気であると説明します。

自分を責める方が多くおられるので「脳の機能的な変調」とお話しすると、おつらくならないようです。

うつ病と診断して、病気であること、おくすりに効果があること、一定期間休養を取るほうがよく治ること、重要な決定は先延ばしすること、人生をあきらめないことを告げます。

「きゅうくつだ」「追い詰められている」「何もかもネガティブだ」「生きていく気力がない」という方には、病気は一時的であり、回復し、治ると繰り返し説明します。

診察でどの程度回復されたか、実感に基づいてお話を伺います。

元通りをパフォ－マンス10割といたしますと、8割以上回復されていますと、患者さんもご家族も、そして職場も、職場復帰について計画がたち、その後も円滑に進むことが少なくありません。

患者さんが会社側のご担当とお話ししやすいように、一貫して患者さんの立場から、私の産業医の経験を踏まえたうえでお伝えします。

身体症状が主で、うつ病であるけれども腰痛、頭痛で会社に行けないという方も少なくありません。
精密検査で異常がなく、心理的なものといわれるなかで、うつ病が「仮面をかぶっている」こともあります。
休養と復帰をうつ病を念頭にプログラムを組むこともあります。

職場に産業医がおられる事業場では、職場復帰後、最初は軽減勤務から、次第に勤務内容を増やし、欠勤がないように会社のご担当の方に記録をつけていただき、主治医としても、精神症状と仕事、休みの日の休み方について話しあいをすることがあります。リワークからの復帰の時も同様に行います。

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